到達目標
建築情報処理I/Ⅱを通して、コンピュテーショナル・デザインの初心者向けにその設計手法の三つの要素(技術、理論、実践)の基本を導入することを目指し、情報処理の科目枠内でありながら、設計演習科目として実施される。到達目標は、設計上の問題を最適に解決する手法を習得することであり、アルゴリズミック(算法的)かつジェネレーティブ(生成的)な設計手法を活用し、学際的な知識を基盤とした設計ロジックを建築デザインとして完成させる過程を学ぶことにある。
建築情報処理Ⅰでは、特にコンピュテーショナルデザインの技術的基礎を構築することを目指し、ソフトウェアの学習やアルゴリズムモデリングの理解を深め、それらのデザインへの初歩的な応用方法を習得する。概念模型の3Dプリントづくりにも挑戦する。
ねらい
必修科目ではなかなか実現しえない世界基準のデジタル教育を目指す。
用いるツールはRhinocerosとGrasshopperを使用し、構成は技術の2段階と応用を含む全3段階(フェーズ)に分かれる。実技演習はコンピュテーショナルデザインでよく使われる手法やデザイン言語ごとに解説する。以下フェーズ1-3を段階的に実施する。
フェーズ1 技術│明示的モデリングin Rhinoceros (Explicit Modeling) 実技課題1-3
明示的モデリングを焦点にあて、ジオメトリを直接操作して、正確で制御されたデザインを作成していく。3次元で自由自在に概念スケッチができるようになることが目標。
フェーズ2 技術│暗黙的モデリング Grasshopper (Implicit Modeling)実技課題4-6 設計課題1
Grasshopper(ビジュアルプログラミング言語)での暗黙的モデリングに焦点をあて、モデリング過程やジオメトリ要素同士のつながりを意識し、アルゴリズムを組むことで成果を導く方法に慣れることを目指す。このプロセスを通じて、参加者はパラメトリックな関係を使って複雑な形状を生成するスキルを身につける。設計課題1の3Dプリント作成も行う。
フェーズ3 応用「システムとパターン基礎」設計課題2
Grasshopperの応用として、アルゴリズムを通して基本的な数理システムのメカニズムをデザインへ応用する過程の初歩を学ぶ。設計課題2を通して、この科目の総まとめをし、実際のデザインにおいてどのように応用できるかを確認することが目標となる。
授業予定
Class01 250407評価の方法
主体制、チャレンジ精神と日頃の着実な努力を重視する。 課題の評価基準は以下を参考にする。
1.技術 2.独創性と応用力(成果物のアイデアやデザインロジックとの一貫性) 3.表現力(レンダリング、3Dプリントや作品集) から総合的に評価する。2回に渡る講評会の出席と全ての課題を提出することが単位認定の必須条件であり、Grade D 以上の者を合格とする。
発表と提出物
- Notion上の実技課題1-6
- 設計課題1と2とそれらに関する講評会の発表
Notion上の実技課題1-6に関して
授業開始(月曜日の13時)までを前週の課題の提出期限とし、達成率に関する評価はその時点で決定する。ただし、Notion上での成果は随時改善を試み、ページ更新を自由にして問題ない。
前提条件
- 英語でのツールの使用、読み物に抵抗がないこと
- RhinocerosとGrasshopperの習熟度に関する受講条件はない。
- 本科目はWindows版のRhinoceros8.0を使用し実技講習を行う。学生は可能な限り同様の環境で受講するようにお願いする。特に、Mac版とWindows版は異なる部分もあるので、注意してほしい。ただし、Mac版でも受講可能である。
- 以下のアプリやノート・情報共有システムを積極的に使用し、作業効率を上げたり、 自分の作品を世界と積極的に共有したりしていく習慣を身につけることを勧める。基本使用であれば無料で使えるものばかりで、学期が始まる前に興味のある学生はアカウントを準備しておく。
- コミュニケーション(資料共有やアイデア交換など):Discord
- マッピングとダイアグラム作成:Miro, Obsidian
- ノート作成、課題オンライン発表:Notion, Obsidian
- ブレインストーミングと前例研究:Pinterest, 生成ビジョンAI (Dalle, SD/MidJourney)
- 補助教材: YouTube, 生成言語AI
学生成果
実技課題1-6(Notion提出)