到達目標
建築情報処理I/Ⅱを通して、コンピュテーショナル・デザインの初心者向けにその設計手法の三つの要素(技術、理論、実践)の基本を導入することを目指し、情報処理の科目枠内でありながら、設計演習科目として実施される。到達目標は、設計上の問題を最適に解決する手法を習得することであり、アルゴリズミック(算法的)かつジェネレーティブ(生成的)な設計手法を活用し、学際的な知識を基盤とした設計ロジックを建築デザインとして完成させる過程を学ぶことにある。
建築情報処理Ⅱは、技術・理論・実践を統合する場として、建築情報処理Ⅰで習得したアルゴリズミック・モデリング技術と新たに学ぶ理論を設計演習を通じて建築に応用し、ジェネレティブ・デザインを導入する。従来のデザイン思考や過程とは異なるアプローチを提示し、最新の学際的デザイン手法(生体模倣、数理システムなどの学際的知識の建築への応用)の実例を通じて、近年の世界的なSDGsの潮流や環境問題、社会問題に対応できる次世代の建築を創造するための土台を築く助けとする。
ねらい
必修科目ではなかなか実現しえない世界基準のデジタル教育を目指す。
コンピュテーショナル・デザインの明確な定義やその本質—単なるデザイン補助ツールではなく、設計手法そのものを変革し、新たな創造性を生み出すものである—を、最終的な形態であるジェネレティブ(生成的)な設計課程を通じて体感してもらうことが狙いである。
「技術」「レジリエンス」「個性」の3つの視点を軸に、技術革新が進む近未来(2030年後半から2050年代)を舞台に、変化する環境や社会への適応力、そして文化的個性を融合させた実験的な空間提案を求める。近年の日本の再開発ラッシュを背景に、SF映画でよく見るような典型的な未来像から脱却し、環境・社会レジリエンス(適応力・回復力)とヘドニスティック(快適さ・楽しさ)を兼ね備えた都市・建築の創造を目指す。さらに、新時代の日本の個性やアイデンティティを探求し、文化や生活の質の向上と未来の環境課題への対応を両立させた空間を提案することが課題の中心となる。
課題は規模と具体的な設計要件の異なる3つのシナリオから一つ選択することとする。用いるツールはRhinocerosとGrasshopperで、構成は以下フェーズ1-3を段階的に実施する。実際の設計演習課題への取り組みはフェーズ2から3にかけて段階的に進める。
フェーズ1 技術+理論│システムとパターン 短期課題1-3
生体模倣、数理システムなどの学際的知識の建築への応用の理解と前例学習とともに、それに対応する技術(Grasshopper中級程度の内容)を導入し、ジェネレティブ・デザインの実践の準備をする。短期課題は授業で学ぶ内容の復習と基本的な応用とする。
フェーズ2 応用│デザインプロトタイピング 設計課題1
設計を開始する。設計課題の初期作業(シナリオ選択、敷地分析やコンセプト提案など)を進める一方で、フェーズ1の内容を応用し、生成的な設計過程を促進するデザインプロトタイプにて設計課題1である概念設計(敷地と切り離し考える)を完成させ、その一部を3Dプリント模型に表現する。
フェーズ3 実践|設計演習 設計課題2
引き続き設計を続ける。フェーズ2で完成させた概念模型を敷地の具体的な条件や細かい設計要件に対応、建築模型へと発展させ、設計課題2を完成させる。
授業内容
Class01 250916Class02 250923Class 03 以降はKulmusでお知らせ
Class06 251014課題
フェーズ1(10月7日提出)
- 週課題:週ごとのNotion課題説明参照
- 短期課題:ポスター参照
フェーズ2(10月28日と11月11日提出)
- プロトタイプ課題:テンプレート参照
フェーズ3(12月26日提出)
- 設計課題:TBA