工学院大学2026年秋「コンピュテーショナルデザイン(建築情報処理Ⅱ)」
授業は9階設計演習室で実施する。 本科目はWindows版のRhinoceros8.0を使用し実技講習を行うので、学生は可能な限り同様の環境で受講するように準備してくるように。特に、Mac版とWindows版は異なる部分もあるので、注意してほしい。
CADソフトがない人は、最低限PhotoshopとIllustratorを用意しておく。
目標
建築情報処理I/Ⅱを通して、コンピュテーショナル・デザインの初心者向けにその設計手法の三つの要素(技術、理論、実践)の基本を導入することを目指し、情報処理の科目枠内でありながら、設計演習科目として実施される。到達目標は、設計上の問題を最適に解決する手法を習得することであり、アルゴリズミック(算法的)かつジェネレーティブ(生成的)な設計手法を活用し、学際的な知識を基盤とした設計ロジックを建築デザインとして完成させる過程を学ぶことにある。
建築情報処理Ⅱは、技術・理論・実践を統合する場として、建築情報処理Ⅰで習得したアルゴリズミック・モデリング技術と新たに学ぶ理論を設計演習を通じて建築に応用し、ジェネレティブ・デザインを導入する。従来のデザイン思考や過程とは異なるアプローチを提示し、最新の学際的デザイン手法(生体模倣、数理システムなどの学際的知識の建築への応用)の実例を通じて、近年の世界的なSDGsの潮流や環境問題、社会問題に対応できる次世代の建築を創造するための土台を築く助けとする。
前期フェーズ1 実技 (4w) | 手動モデリング Rhinoceros 実技課題1-3 |
前期フェーズ2 実技 (4w) | アルゴリズミックモデリング Grasshopper 実技課題4-6 |
前期フェーズ3 応用 (4w) | 「コンセプチュアルプロトタイピング」設計課題 |
後期フェーズ1 実技+理論 (4w) | システムとパターン 短期課題1-3 |
後期フェーズ2 応用+実践 (4w) | デザインプロトタイピング 設計課題1 |
後期フェーズ3 実践 (4w) | 設計演習 設計課題2 |
- 実技: ツールを「触れる」ようになる |ソフトウェア(ライノとGH)とモデリング技術を学ぶ
- 応用: ツールを「使いこなす」|学んだ技術を別の抽象形(概念模型など)に展開すること
- 実技+理論: ロジックを「理解して組む」|理論的枠組み(システムや生体模倣)から技術を学ぶ
- 応用+実践: ロジックを「形にする」|抽象形(概念模型など)から実践的な建築形態への橋渡し
- 実践: 建築として「完成させる」|実際の設計課題としてアウトプットすること
ねらい
必修科目ではなかなか実現しえない世界基準のデジタル教育を目指す。
コンピュテーショナル・デザインの明確な定義やその本質—単なるデザイン補助ツールではなく、設計手法そのものを変革し、新たな創造性を生み出すものである—を、最終的な形態であるジェネレティブ(生成的)な設計課程を通じて体感してもらうことが狙いである。
テーマ
「技術」「レジリエンス」「個性」の3つの視点を軸に、技術革新が進む近未来(2030年後半から2050年代)を舞台に、変化する環境や社会への適応力、そして文化的個性を融合させた実験的な空間提案を求める。近年の日本の再開発ラッシュを背景に、SF映画でよく見るような典型的な未来像から脱却し、環境・社会レジリエンス(適応力・回復力)とヘドニスティック(快適さ・楽しさ)を兼ね備えた都市・建築の創造を目指す。さらに、新時代の日本の個性やアイデンティティを探求し、文化や生活の質の向上と未来の環境課題への対応を両立させた空間を提案することが課題の中心となる。
課題は規模と具体的な設計要件の異なる3つのシナリオから一つ選択することとする。用いるツールはRhinocerosとGrasshopperで、構成は以下フェーズ1-3を段階的に実施する。実際の設計演習課題への取り組みはフェーズ2から3にかけて段階的に進める。
授業構成
フェーズ1 技術+理論│システムとパターン(前例研究) 短期課題1-3
生体模倣、数理システムなどの学際的知識の建築への応用の理解と前例学習とともに、それに対応する技術(Grasshopper中級程度の内容)を導入し、ジェネレティブ・デザインの実践の準備をする。短期課題は授業で学ぶ内容の復習と基本的な応用とする。
フェーズ2 応用│ 概念模型デザインプロトタイピング 設計課題1
設計を開始する。設計課題の初期作業(シナリオ選択、敷地分析やコンセプト提案など)を進める一方で、フェーズ1の内容を応用し、生成的な設計過程を促進するデザインプロトタイプにて設計課題1である概念設計(敷地と切り離し考える)を完成させ、その一部を3Dプリント模型に表現する。
フェーズ3 実践|設計演習 設計課題2
引き続き設計を続ける。フェーズ2で完成させた概念模型を敷地の具体的な条件や細かい設計要件に対応、建築模型へと発展させ、設計課題2を完成させる。
前提条件
- 前期の受講または、RhinocerosとGrasshopperの仕様経験があり基本操作に問題ないこと。
- 英語でのツールの使用、読み物に抵抗がないこと
- 以下のアプリやノート・情報共有システムを積極的に使用し、作業効率を上げたり、 自分の作品を世界と積極的に共有したりしていく習慣を身につけることを勧める。基本使用であれば無料で使えるものばかりで、学期が始まる前に興味のある学生はアカウントを準備しておく。
- コミュニケーション(資料共有やアイデア交換など):Discord
- マッピングとダイアグラム作成:Miro, Obsidian
- ノート作成、課題オンライン発表:Notion, Obsidian
- ブレインストーミングと前例研究:Pinterest, 生成ビジョンAI (ChatGPT, Gemini, SD/MidJourney), YouTube, LLM
参考
Reference短期課題
Day1
技術
理論
A 【Rhino】SubD 基本模型 ベンチ模型演習
B 生体・自然模倣前例研究
Day2
技術
応用
理論
C【GH】復習 System Field模型演習(GH中級)
D System Fieldの応用プロトタイピング
B’ 生体・自然模倣前例研究
Day3
技術
応用+理論
E【Rhino+GH】SubD Multipipe模型演習
F 生体・自然模倣前例研究の応用プロトタイピング
授業内容
フェーズ1 技術+理論│システムとパターン(前例研究) 短期課題1-3
日程 | 内容 | 課題・提出物 |
第1回目2026.09.08. | 講義 とオリエンテーション
Class 01 Phase1 Skills and Thoery | System and Pattern
Rhino SubD | 短期課題A(ベンチ) + 課題B(前例研究)
オンデマンドのRhinoの部分 (前期未履修者) |
第2回目2026.09.15. | システムとデザインパターン
Class 02 Phase1 Skills and Thoery | System and Pattern
GH FIELD | 短期課題C(Field) + 課題D(プロトタイプ応用)+ 課題B’(前例研究)
オンデマンドのGHの部分 (前期未履修者) |
2026.09.22. | 休講
| 敷地調査 |
第3回目2026.10.06. | システムとデザインパターン
Class 03 Phase1 Skills and Thoery | System and Pattern
Network システムとGH SubD MultipipeにおけるFIELDの応用 | 短期課題E + 短期課題F |
第4回目2026.10.13. | 口頭発表 短期課題1-3
フェーズ2解説 その他のシステムの紹介 |
小発表(短期課題1-3): 第4回目に実施
フェーズ2 応用│ 概念模型デザインプロトタイピング 設計課題1
第4回目2026.10.13. | ||
第5回目2026.10.20. | 設計課題1 | |
第6回目2026.10.27. | 設計課題1 | |
2026.11.03 | 休講 | |
第7回目2026.11.10. | 設計課題1 | |
第8回目2026.11.17. | 3Dプリント指導+設計課題の説明
実技課題1-6PDF提出 口頭発表 | 設計課題1 |
小発表(実技課題4-6): 第8回目に実施
フェーズ3 実践|設計演習 設計課題2
3Dプリンター予約:
第9回目2026.11.24. | 設計課題2 | |
第10回目2026.12.1 | 設計課題23Dプリント作成完了 | |
第11回目2026.12.8 | 設計課題2 | |
第12回目2026.12.15 | 設計課題2 | |
第13回目2026.12.22 | 講評会 | 設計課題成果提出 |
第14回目 | オンデマンド |
設計課題
NA