理論課題「生体模倣前例研究」
今日から2,3週間かけて学際性をもつプロジェクトとしてバイオミメティクス建築の前例研究を進めてもらう。最終的には下記A参考記事のような前例研究に関するNotionページを作成する。A参考記事よりは部分的且つ簡易版で問題ない。生体模倣の方法を簡単に記した下記B参考ダイアグラムは必ず作成しその記事に含める。
- 前例研究の目的:これを機に、生体模倣建築に関しての基本的な理解をする。加えてその設計ロジックをダイアグラムにまとめることにより、コンピュテーショナルデザインの基本であるアルゴリズミックな創造過程がいかに実践に反映されうるかということの理解、分析力と言語での表現力を養ってほしい。アルゴリズムは必ず問題とストラテジーを通して解決策を提案するものである。設計課題のさなかにする前例研究は、この部分の分析が疎かになるので意図して設計課題とは分離させている。
- デザインロジックのダイアグラム(B 参考図)において、「類似特徴」「問題」「解決・利点の内容」を明示し、次週以降のデザインプロトタイピングの際、各自プロジェクトの解説に使用するテンプレートにする。
- 参考文献、引用文献は必ず一番下に記入する。
- GPTなどのAIの使用は可、ただし参考文献との内容の一致と所在を必ず確認する
- どの研究にするかまだ迷っている人は以下のプロジェクトの中から選択を考慮する(C リスト)。
第一周目
第一周目の課題は、A参考記事を読み生体模倣の前例研究の全容を把握したのち、自分が興味を持った生体模倣の例を選び次回の個人指導までにその内容をできるだけ整理し準備してくる。準備する内容は以下箇条書きの内容を簡単でいいので分かる範囲で書き出してくる。
- 生体模倣のプロジェクト名
- もととなった生物の名前
- 類似している特徴
- 生体模倣によって解決・改善された問題と結果
- 興味を持った理由
前例研究についての基礎知識
資料
A 参考記事
B 参考図
以下参考図はイギリスのノルマンフォスターによる「30 セントメリー アクス」の生体模倣建築の前例研究のサマリーダイアグラムのである。
C リスト
- 30セント・メリー・アクス 30 St. Mary Axe | Foster:カイドウロウケツ 温度らせん状の隆起
b. 台中国家歌劇院 | 伊藤豊雄:石鹸膜のカテノイド曲面 ミニマルサーフェス
c. Main Station Stuttgart | Ingenhove Architects:石鹸膜 ミニマルサーフェス
d. KAPSARC | Zaha Hadidや台湾大学図書館│伊藤豊雄: 森(林分)の樹木の成長の仕方(樹冠・林冠・木間の距離);葉の気孔や葉脈による空間分割に類似
e. Thematic Pavilion | SOMA Architecture, HygroSkin - Meteorosensitive Pavilion :植物の開閉キネティク
f. The Very Many (Marc Forne)のパビリオン:ピュアなBio-Inspired形態 数理モデル
前例研究というだけに、生体模倣建築でもできるだけ実存する建築プロジェクトが対象ではあるが、そうでないものも完成度が高ければ認めるものとする。また「生体模倣」に限らず生物以外の他のロジックや知的現象(数学・科学や情報工学系ベースなど)などをデザインに活用した例を取り上げるのでもよい。要は他学問のロジックでデザインに何かしらの有用性を与えた例であればよい。理想は、簡易設計のプロトタイピングに研究内容を活用していってもらいたいが、無理に設計を意識して例を選ぶ必要はなく、実質的な前例研究ができるよう内容のある良い例を選ぶように。