フェーズ3 理論と応用│システム導入と簡易設計 計180分 (2コマ)| 工学院大学 2023年春「コンピュテーショナルデザイン入門」
授業内容
1 追加発表 (第一回講評会) (10m)
2 講義:簡易設計課題の導入「デザインパターンとプロトタイピング」 (20m)
3 設計指導:「デザインパターンとプロトタイピング」[ペア指導] (150m)
- 【仮説と提案】(設計テーマ)のA-Cの選択
- 仮説ごとのペアの作成
- 【仮説と提案】をヒントに設計上の【解決策】を考える(具体的な内容は以下下記「問1」参照)
- 上記の仮説ごとのアイデアソン
- 提案内容を達成するための戦略を組む
課題内容
| 課題#10 簡易設計課題「デザインパターンとプロトタイピング」
今週の課題は下記の「簡易設計課題の概要」内「設計における問」の問1をダイアグラムを通してできるだけ発展させ、来週の授業から問2に対しライノ・GH上でツール上で探求開始またはできるように準備してくる。理想は来週の授業の後半からペアで並列プロトタイピングができる状態にもっていくことである。みながプロトタイピングで使用するツールやアドバイスを効率よく伝えることができるように、問1の作業が完成できたペアは日曜日を待たず早めにNotionにその情報を挙げ、こちらに知らせてほしい。
また、昨日26日に伝えた内容から詳細に訂正を入れているので以下の内容を最終課題内容として再確認してほしい。
簡易設計課題の概要
■ ねらいと目標
技術と理論学習を融合・発展させ、コンピュテーショナル・デザインの根底にある問題解決プロセスをプロトタイピング試作づくりを通して学ぶ。その過程で昨今の世界的なSDGsの潮流に代表されるような、環境問題または社会問題に対応していくための考え方の基盤やデザインの方法論を学ぶ。デザインの効率を上げるため、並列プロトタイピングの手法に沿い、同じ問題にペアで取り組み複数案の作成及び分析を同時に行い、素早く最適策を練る。できるだけ授業で完成させるが、授業での作業が滞らないよう、事後学習で可能な限りアイデアの準備をする。
■ 簡易設計内容
次のA~Cは都市化によって生じる問題に対する簡単な【仮説と提案】である。それぞれSDGsの3(すべての人に健康と福祉を)、7(エネルギーをみんなに そしてクリーンに)、11(住み続けられるまちづくりを)、12(つくる責任 つかう責任)、13(気候変動に具体的な対策を)に関連する内容になっている。一つを選びそのデザインを通して提案を完成させる。
■ 時代と背景
時代は2030-2050年次世代の日本。AIの日常生活への導入、VRARなどによるメタ空間や空中飛行の手段による移動輸送が当たり前になり、都市がSF映画に類似し始めたころである。3Dプリントを代表とする新しい製造技術やマテリアル工学の生体模倣による新しい建材が次々に登場し、現代建築以来製造技術の限界から自由を奪われてきた建築のあり方を根本から変え、都市や居住空間のあり方を見直す時が来た。現在でも存在する環境問題や社会問題は根強く存在し、デザイナーはそれらに時代にあった手法で取り組んでいくことが急務である。
A:交通渋滞改善のためのインフラ・景観的構造
交通渋滞問題は公共交通機関の使用や歩きやすい街(ウォーカブル都市)を促進することによって改善されるはずである。インフラ構造物や景観デバイスの導入により交通渋滞問題の改善の提案をする。
ex)時給自足パーキングタワー、公共空中飛行交通機関の道の駅の作成、付加価値のあるバス停や景観デザイン
B:都会の孤立問題への空間的対応 都会の孤立や高齢者のQOLなどの問題は、人々の交流を促進するれば解消される部分があるはずである。公共施設おいて新たなタイプの交流ができる空間デザイン(インテリア建築、家具、景観での空間装置)を提案する。 ex)異なる世代が共有できる空間のプランニング、シェアハウスのデザイン、地産地消を盛り上げる景観点など
C:気候変動に備え極限環境の建築の考案 長期スパンでの気候変動よる地球の環境変化で発生する居住地の減少に対応するには、生命の住みづらい特別な環境自体に建物のあり方を積極的に適合させることが有効かもしれない。以下のような極限地帯でも適応可能な建築の提案をする。日本だけでなく世界を視点に考える。 ex)砂漠化が進む地帯、極寒地帯、水面上の居住地、極度に環境汚染された街、宇宙空間など
■ 設計における問
問1【解決策のシナリオ】 どの【仮説と提案】からスタートし、どのような設計上の【解決策】とそれを達成するためのロジカルなシナリオを目指すか?
【【解決策】のシナリオは以下の4点(図の赤字参考)に分かれる。【1設計のスコープ(地理・環境)や目標】、【2解決策】、【3設計上の問題とストラテジー】、【4プロトタイプの特徴と機能】。
以上を設計のブループリントとして下の図のように整理し実際のGHの作業にうつる。
※このブループリントは試作づくりの結果で常時アップデートしていく。
問2【プロトタイプの特徴や機能】 いかなる【データ】を設計の焦点(問題)とし、 どのような【パラメーター】を通して【設計上の目標(質) 】を達成したか?
【解決策】のシナリオ内の【プロトタイプの特徴や機能】を達成するための要となる【データ】(数値とは限らない)とその解釈である【設計上の目標(質) 】を以下の写真のようにまとめる。
■ 提出物 (*が必須事項)
- *【解決策】のシナリオ:【仮説と提案】に対する【解決策】のシナリオの全貌を写真、言語、簡単なフローダイアグラムなどで説明(問1)
- *【プロトタイプの特徴や機能】のダイアグラム:アルゴリズムの説明(問2)
- *生体模倣またはシステムのロジック:(生体模倣研究の内容やダイアグラム、システムのメカニズムなどの参考資料)
- 試作結果の比較(パラメータと結果の分析) *あればグローバルとローカルの複数案比較
- *プロトタイプのコア機能説明:最終案のプロトタイプの3Dアクソンまたは図面ダイアグラムによるコア機能の説明(レンダリングまたは図面)
- *簡易断面図と平面図:Clipingplane ▷レンダリングにMake2Dの線を重ねる程度
- 生成ダイアグラム
- *パース: プロトタイプの現場への設置 (写真ベース)最低2枚
- *プロトタイプのスペック表(後日紹介)
■ 設計参考URL
KGISP23 Design Resource